クサギ(臭木・ くさぎ )は、山野の雑木林や道ばたなどに、見かけられるクマツヅラ科クサギ属の落葉低木で、日本の各地や朝鮮半島、中国などに分布しています。
クサギは、周囲に独特な臭気を漂わせることから、「臭木」と呼ばれるようになりましたが、臭気があるのは葉の部分だけで、きれいな花には良い芳香があります。
クサギは、利用価値が高い植物で、その薬効もさることながら、青い色をした果実は草木染では数が少ない青色の染料として用いらるほか、アク抜きをすれば臭気も消えることから、新芽や若葉をおひたしや和え物、天ぷらなどに調理して食用とします。
また、変わった形状のきれいな花をもつことから、西洋では園芸用の栽培も行なわれているクサギですが、日本で観賞用に栽培されるのはクサギではなく、同属の「ボタンクサギ」※などです。
クサギ(臭木・ くさぎ )
トリテルペノイド(クレロデンドリン・クレロドロン・クレロドン)など (この続き…)
ハマゴウ(浜栲・ 蔓荊 ・はまごう)は、比較的に温暖な地方の浜辺などに見られるクマツヅラ科ハマゴウ属※の落葉低木で、国内では本州や四国および九州に自生しています。
海浜植物であるハマゴウの果実は、水に浮きやすいコルク質の果皮をもっており、これを海流にのせて散布する事によって繁殖範囲を広げていくため、分布地域は東南アジアからオーストラリアまで広範囲におよびます。
ハマゴウの名前の由来については、砂浜の砂の上を這うように幹をのばして生育していくことから「浜を這う」が転訛してハマゴウになったとする説がありますが、また、ハマゴウは、よい芳香を漂わせていることから、浜のかおりと書いて「浜香」になったとする説もあるそうです。
薬用以外にも、染料やお線香の原料に用いられたなど、実用的なハマゴウですが、護岸工事や砂浜の侵食などにより、最近ではその姿があまり見かけられなくなっています。
ハマゴウ(浜栲・ 蔓荊 ・はまごう)の成分
精油(α-ピネン・カンフェン・テルピネオール)・フラボノイドなど (この続き…)
ナズナ(薺・なずな)は、春の七草の一つとして昔から親しまれるアブラナ科ナズナ属の越年草で日本各地の草地や田畑、道端などに自生しています。
ナズナの名前の由来には、撫ぜるほど愛しい菜と言う意味の「撫ぜ菜」から転訛したとする説や夏には枯れてしまって無くなる「夏無」から転訛したとする説など、いろいろな説があるようです。
また、ナズナの果実は厚みが薄く三角形の形状をしていることから、果実を三味線のバチに例えて、「ペンペングサ」や「シャミセングサ」などとも呼ばれています。
昔より、無病息災を願う「七草粥」※として食用に用いられているナズナですが、若葉はくせやあくが少ないことから、山菜としても用いられており、おひたしや和え物、天ぷらなどに調理します。
ナズナ(薺・なずな)の成分
バニリン酸・フラボノイド・ジオスミン・カンファーなど (この続き…)
クレソンやウォーターレタスの名で知られるオランダガラシ(和蘭芥子・クレソン)は、河川や池などに見られるアブラナ科オランダガラシ属の多年草で、日本各地に分布しています。
オランダガラシの「和蘭」※は、特に原産国を表す訳でもなく、一般的な西洋と同義であるとされています。またオランダガラシは別名を「ミズガラシ」とも呼ばれていますが、これは、同属のミズナ※同様の苦味からと想像されます。
ヨーローッパを原産とするオランダガラシは明治の初期に、日本に駐留する外国人向けの食用に導入された高級西洋野菜ですが、その生命力の強さから各地で野生化し繁殖範囲を広げて行き、現在では「要注意外来生物」に指定されています。
適当な辛さ苦味をもち、クレソンの名で野菜としてはポピュラーな存在のオランダガラシは、肉料理などの付け合わせとして用いられるのが一般的ですが、最近ではサラダや和え物など、さまざまなに調理され、インターネットでもクレソンのレシピなどで検索すると多くの情報が存在します。
また、オランダガラシはプランターなどの容器を利用した水耕栽培ができることから、ベランダや庭などでのガーデニングに用いられています。
オランダガラシ(和蘭芥子・クレソン)の成分
配糖体(グルコナツルシン)など (この続き…)
美しい紅葉を見せるハゼノキ(櫨の木・はぜのき)は、暖地の山野※などに自生するウルシ科ウルシ属の落葉小高木で、朝鮮半島や中国、台湾など東南アジア分布しています。
ハゼノキに似た植物として「ヤマハゼ」 ((山櫨(ウルシ科ウルシ属)))が挙げられますが、このヤマハゼを在来種とし、ハゼノキは木蝋※を採取するために輸入された外来種が野生化したものとする説があります。
ハゼノキの名前については、紅葉色ずく頃のハゼの木の色を埴輪※の色に見立てて「ハニシ」と呼び、それが転訛して今の「櫨」になったとされていますが、また前述のとおり、ハゼノキの果実よりロウソクの原料を採取したことから「ロウノキ」とも呼ばれていました。
「櫨紅葉」※と呼ばれ、俳句の季語にも用いられているハゼノキの紅葉は、とても美しいことから、庭園や公園、お寺などに観賞用として植栽が行なわれています。
ハゼノキは「ヤマウルシ」※などと同じウルシ科の植物ですので、樹液による皮膚のかぶれには注意が必要です。
ハゼノキ(櫨の木・はぜのき)の成分
パルミチン酸・オレイン酸・ステアリン酸など (この続き…)
ヌルデ(白膠木・ぬるで)は、山野の日当たりの良い場所に自生するウルシ科ウルシ属の落葉小高木で、北海道から九州の各地に分布しています。
幹を傷つけると出てくる白い樹液を塗料として用いられたことから、「ヌルデ」※と命名されましたが、果実の表面に付着する白い粉が塩辛いことから「シオノキ」と呼ぶ地方もあるそうです。
ヌルデの同属には、「ヤマウルシ」※や「ハゼノキ」※などがありますが、ヌルデの樹液に触れてもかぶれることはあまり無いそうです。
ヌルデの歴史は古く、聖徳太子が戦勝祈願のためにヌルデの木を用いて彫刻を作成したとする逸話が残るほか、ヌルデの葉にできる「五倍子」※は、女性のお歯黒の原料とされていたそうです。
ヌルデ(白膠木・ぬるで)
タンニン・没食子酸・リンゴ酸カルシウムなど (この続き…)
美しい容姿をもつシャクヤク(芍薬・しゃくやく)は、日本各地で栽培や植栽が行なわれているボタン科ボタン属の多年草で、国外では朝鮮半島や中国に分布しています。
和名の「シャクヤク」は中国語の「芍薬」の音読みに由来されており、また古い時代には別名を「エビスグスリ」※と呼ばれたそうですが、エビスグスリの意は、現代で言うところの「薬効をもった外来種」といったところでしょうか。
シャクヤクは、同属の「ボタン」※とともに美しい女性の代名詞とされる植物ですが、シャクヤクもボタン同様、古来※に中国より薬用目的で渡来したとされています。
また、シャクヤクはボタンを栽培する時に、接ぎ木の台木として用いられたり、江戸時代に園芸用の改良品種がたくさん作成されるなど、両者には似通った点が多くありますが、両者の大きな相違点は、シャクヤクは草本でありボタンは木本であるところです。
シャクヤク(芍薬・しゃくやく)
ペオニフロリン・ペオニフロリゲノン・タンニンなど (この続き…)
美しい女性の形容に用いられる牡丹(ボタン・ぼたん)は、ボタン科ボタン属の落葉小低木で、観賞や薬用を目的として、日本各地で栽培されています。
原産国の中国では身分の高い人々に愛好され珍重されていた牡丹ですが、日本には薬用の目的で奈良時代に伝わったとされています。
「フカミグサ」※や「カオウ」※、「ハツカグサ」※など牡丹には多くの別名がありますが、ハツカグサについては、古い歌※に牡丹の花が咲いている時期は二十日ていどと詠まれていることに由来するそうです。
「立てば芍薬 ※座れば牡丹」と美人の例えにされるにふさわしい大輪の花を咲かせる牡丹は、江戸時代に観賞を目的とした園芸品種の栽培が盛んに行なわれ多くの品種が現代に引き継がれています。
牡丹(ボタン・ぼたん)の成分
ペオノール・ペオニフロリン・ペオノシド・ペオノリドなど (この続き…)
サネカズラ(実葛・さねかずら)は、丘陵の山林などに見られるマツブサ科サネカズラ属の常緑つる性木本で、国内では関東より西の暖かい地域に自生しており、国外では朝鮮半島や中国に分布しています。
サネカズラの名前については、茎の皮よりぬるぬるした粘液が採取されることから「ナメリカズラ」※と呼ばれていたものが転訛してサネカズラになったとする説があるそうですが、このぬるぬるした粘液は整髪料として用いられたことから別名を「美男葛」※とも呼ばれています。
サネカズラは、古事記や万葉集に名を記されるなど古くより知られている植物で、万葉集では、「サナカズラ」の名で親しまれ、サネカズラのつるがもつれ交錯するようすから「逢う」の枕詞になっています。
秋にきれいな赤い実をつけるサネカズラは、観賞用としての栽培も行なわれており、鉢植えやミニ盆栽として楽しまれるほか、庭木や生垣などにも用いられています。
また、サネカズラは夏にかけてうつむき加減に小さな薄黄色の花を咲かせますが、こちらは以外に知られていないようです。
サネカズラ(実葛・さねかずら)の成分
リグナン(ビナンカズリン・カプロイルビナンカズリンA)など (この続き…)
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秋に赤い実をつけるチョウセンゴミシ(朝鮮五味子・ちょうせんごみし)は、北海道から本州※の山地に自生するマツブサ科マツブサ属の落葉つる性低木で、国外では、朝鮮や中国などに分布しています。
チョウセンゴミシは、中国より朝鮮を経て日本に入って来たため、朝鮮よりの渡来種の意で、「朝鮮五味子」と名付けられたとされており、また「五味子」の意については、甘・酸・辛・苦・鹹※の味が果実に含まれることに由来されます。
チョウセンゴミシによく似た種として挙げれる「マツブサ」※は、浴湯料などに用いられる薬効のある植物として知られており、両者の違いは、葉脈の形状や果実の色などにより見分けられます。
古くから薬用として知られるチョウセンゴミシの赤い果実は、薬用以外にも食用として用いられており、焼酎漬けやジャム、お茶などに加工されるほか、酸味があるものの生食することも可能です。
チョウセンゴミシ(朝鮮五味子・ちょうせんごみし)の成分
リグナン(シザンドリン・デオキシシザンドリン・ゴミシンA)など (この続き…)