秋の風情を感じさせる、ツリガネニンジン(釣鐘人参・つりがねにんじん)は、丘陵や山野の草地に自生するキキョウ科ツリガネニンジン属の多年草です。
日本では、北海道から九州にかけて自生しており、海外では、朝鮮半島や中国、シベリアなどに分布しています。
根が朝鮮人参に似ており、釣鐘の形状に似た花をもつことが名の由来だそうですが、美しい花をもつ容姿は観賞用に栽培され販売もされています。
萼裂片が線形で小鋸歯もつことが特徴のツリガネニンジンですが、母種とされている「細葉沙参」※など、同属にはよく似た多くの変異種があります。
別名を「トトキ」※と呼ばれており、おひたしや和え物、天ぷら漬物など、山菜として食用に用いると美味なことから、「山でうまいはオケラにトトキ」などと囃子歌にもなっています。
ツリガネニンジン(釣鐘人参・つりがねにんじん)の成分
トリテルペノイド(トリフィロール・メデルアデノフォレート)・イヌリンなど (この続き…)
チガヤ(茅萱・ちがや)はイネ科チガヤ属の多年草で、日本各地の草地や畑、あぜ道や川辺などいろいろな場所で見かける身近な植物です。
アジアやアフリカ、オーストラリア、アメリカなど世界中の広範囲に分布するチガヤですが、気候によっては強力な繁殖力を見せることから、除草が困難な「世界最強の雑草」などと呼んでいる地域もあるそうです。
チガヤは、根や花穂に甘味をもっており、過去には食用※として用いられたこともあるそうで、万葉集※にも名を残しており、甘味の少ない時代には重宝がられたのかもしれません。
雑草としてのイメージが強いチガヤですが、変種の赤い紅チガヤ※は観葉植物として栽培などもされています。
また土壌に根を張る強さをいかして、堤防法面などの緑化にも採用されています。
チガヤ(茅萱・ちがや)の成分
トリテルペノイド(シリンドリン)・セスキテルペノイド・カリウムなど (この続き…)
ジュズダマ(数珠球・じゅずだま)は、川岸や小川などの水辺に群生するイネ科ジュズダマ属の多年草で本州や四国、九州などの地域に自生しています。
古い時代にインドやインドシナなどの熱帯アジアより食用としてもたらされた帰化植物※で、渡来当初は栽培されていたものが徐々に野生化していったようです。
ハトムギ※の原種として知られるジュズダマですが、ジュズダマの改良品種として栽培されている植物がハトムギで、またハトムギの実はジュズダマの実よりもやわらかくできています。
ジュズダマの硬い実をふくろに詰めてお手玉にしたり、穴を開けてひもを通し数珠につないだりと子供たちの草花遊びに用いられたことから、「数珠玉」の名が付いたとされています。
ジュズダマ(数珠球・じゅずだま)の成分
コイクソール・脂肪油(グリセリド)・脂肪酸エステル(コイキセノリド)など (この続き…)
旺盛な繁殖力をもつギシギシ(羊蹄・ぎしぎし)は、タデ科ギシギシ属の大型多年草で、北海道から九州や沖縄まで日本各地の原野や畑、道ばたなどに自生しています。
近縁種のスイバと※似ているせいか「ウマスイバ」の別名をもつギシギシですが、大きな身の丈※で強力な生命力をもち、駆除が困難な雑草として農家などには迷惑がられている存在です。
ギシギシというおもしろい擬音のような名称には、花穂※をとるときになる音や、茎のすれる音とか、実を振ったときにでる音など諸説があるようです。
厄介ものてきなイメージのギシギシですが、新芽や若葉をあく抜きして、おひたしや酢の物、また天ぷらや油炒めなど、山菜として食用に用いることが可能で、見た目によらず美味だそうです。
ギシギシ(羊蹄・ぎしぎし)の成分
アントラキノン・クリソファノール・エモジン・ネポジンなど (この続き…)
カラハナソウ(唐花草・からはなそう)は、山地や原野、荒地などで見かけるアサ科※カラハナソウ属のつる性多年草で、周りの草木などにからみ付いて繁殖していきます。
ビールのホップとしてよく知られているヨーロッパや西アジアを原産としたセイヨウカラハナソウ※の亜種にあたる日本固有の種で北海道や本州の中部地方から北の地域分布しています。
唐花模様に良くにた果穂を持つことから「唐花草」と呼ばれるようになったそうですが、雌雄異株※という特徴をもっています。
過去に本種のホップ※と同様にビールをつくる試みがあったそうですが、ビールにするには苦味が足らず生産には至らなかったようです。
カラハナソウ(唐花草・からはなそう)の成分
苦味配糖体(フムロン・ルフロン)・精油成分(フムレン)など (この続き…)
クサボケ(草木瓜・くさぼけ)は、丘陵や山地に自生するバラ科ボケ属の落葉低木で、本州※や四国および九州などに自生しています。
クサボケは、他の中国産木瓜属※とは異なる日本の品種で、身の丈が低く、草のように地面にひろがって生えることからクサボケの名になったそうです。
観賞用として切り花や鉢植え、盆栽などにも使用されており、中国産のボケとの交配によりなど園芸用の品種が多数※そんざいします。
強い酸味をもつクサボケの果実は、塩漬けにして食用にもちいたり、焼酎に漬けて薬用酒として用いられています。
クサボケ(草木瓜・くさぼけ)の成分
リンゴ酸・クエン酸・酒石酸など (この続き…)
中国西南部を原産とするサンザシ(山査子・さんざし)は、バラ科サンザシ属の落葉低木で、中国では古来より薬用植物として認知されている植物です。
朝鮮を経由して日本に渡来したのは江戸時代の中頃※とされており、渡来当初は薬用の目的で栽培されていましたが、現在は盆栽や庭園など観賞用として栽培されています。
甘酸っぱい味が特徴で、中国では飴や菓子に使用されるポピュラーな存在で、そのほかにもサンザシの果実を漬けた「山査子酒」や油料理の後に飲む「山査子茶」、「山査子餅」などいろいろなものに加工され食用とされています。
また、魚を煮込む時にサンザシの果実を入れると、とてもやわらかく煮込めるそうです。
サンザシ(山査子・さんざし)の成分
フラボノイド・タンニン・クロロゲン酸・オレアノール酸・クエルセチンなど (この続き…)
ウツボグサ(靫草・うつぼぐさ)は、丘陵や草地、道端などに自生するシソ科ウツボグサ属の多年草で、東アジアに広く分布し、日本でも全国各地に自生しています。
命名の由来は、古来の武士の武具である「靫」※に似た形状の花穂※をもつことからとされており、また花をつけた後の花穂が、真夏になると褐色に変色することから「夏枯草」※の別名もあります。
食用に関しては、通常の山菜同様に若葉を天ぷらや和え物、炒め物などに調理して用いるそうです。
ウツボグサ(靫草・うつぼぐさ)の成分
トリテルペノイド(ウルソール酸)・プルネリンなど (この続き…)
ヒヨドリジョウゴ(鵯上戸・ひよどりじょうご)は、東アジアを原産とするナス科ナス属のつる性多年草植物で、日本各地の山地や野原に自生しています。
ヒヨドリジョウゴは秋にきれいな赤い実をつけますが、この赤い実をヒヨドリたちがよく食べていたから、「鵯上戸」の名が付いたとされています。
また地方によっては、ヒヨドリジョウゴのことを方言で「ツヅラゴ」と呼ぶそうですが、ヒヨドリジョウゴが効くとされている病気の帯状疱疹ヘルペスも「ツヅラゴ」と呼ばれているそうです。
ヒヨドリジョウゴ(鵯上戸・ひよどりじょうご)の成分
ステロイドアルカロイド配糖体(ソラニン)など (この続き…)
薬草として知名度の高いセンブリ(千振・せんぶり)は、本州、四国、九州の草地や道端などに自生するリンドウ科センブリ属の2年草植物で、日本以外では中国や韓国などに分布しています。
強い苦味成分をもっており、お湯で千回振り出※してもまだ苦いので「千振」と命名されたいきさつからも、その苦さ※がうかがえます。
漢方には無い日本独自の民間薬※として昔※から使用されているセンブリですが、近年は自生するものが減少しつつあり、かっては困難とされていた栽培が盛んに行なわれています。
センブリ(千振・せんぶり)の成分
苦味配糖体(ゲンチオピクロシド・スウェルチアマリン)・キサントン(スウェルチアマリン)など (この続き…)